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知的障害とグレーゾーン

グレーゾーンの子供達

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里親さんの支援活動をしていると、時々軽度知的障害やグレーゾーンと保護されて初めて判断される子供達と出会います。ネグレクトや虐待などで子供に関心があまりない場合親は子供の様子に気づかない事が多いのだと思います。

確実に軽度知的障害と判断されると、支援学級や専門の施設に行くように手配されていきますがグレーゾーンだった場合の対応はどうなるんだろうと思っています。これは市の行政の判断と本人の程度によって変わってくるでしょうが、私が出会った子供は本人には告げず普通学級に通っています。このまま大人になっても告げずなのだろうかと少し気になります。

グレーゾーンってすごく難しいなと感じました。確実に判断されると本人にも告げて支援学級などレベルに応じた勉学ができますが、グレーゾーンだった場合普通学級でもいけるのでそのままな事が多いのかもしれません。ですがグレーゾーンでも精神年齢が12歳〜14歳となっているので、高校生ぐらいになってくると周りと少し違ってくるのではないかと感じています。それにより自分はどうしてできないのだろうかなどの自己肯定感が損なわれ二次障害が生まれかねない気がしています。

知的障害の定義

ここで少し知的障害の定義についてご説明したいと思います。知的障害とは、18歳までの成長期に生じる知的発達の遅れと適応能力に制限があるという事です。知的と付くので簡単に頭の良さの問題かと思いがちですが、精神遅延とも呼ばれ精神年齢の低さを表しています。

程度によって軽度から最重度まで4段階に分かれており、知的指数と日常生活能力によって、自立した生活ができるかという判断がなされます。

画像引用:厚生労働省「平成17年度知的障害児(者)基礎調査結果の概要」

IQ 〜20   (精神年齢3歳以下)

IQ   21〜35 (精神年齢3~6歳未満)

IQ   36〜50 (精神年齢6~9歳未満)

IQ    51〜70   (精神年齢9~12歳未満)

とされています。そして

IQ    70〜85未満(精神年齢12~14歳)は境界領域知能とされ、明らかな知的障害とは言えず環境や周りのサポートによって自立し社会生活ができるとされています。

周りの環境やサポート?

定義を私なりに調べていて、グレーゾーンの記述で「周りの環境やサポートにより自立し社会生活ができる」と書かれている事に少し心配になりました。周りは理解しサポートをする事がベストなのは分かります。ですが知らずにそのまま大人になった子供たちも多くいるでしょう。世の中には保護されず、毒親の元で耐えて育った子供たちも多くいると思います。大人になると、少し変わってるなぐらいでそんなに本人に立ち入らないので指摘されることもなく、生きづらさを抱えたまま生きている方々も多いのではないかと思っています。

これは大人の発達障害にも言えることだと思います。最近は発達障害の知名度がかなり上がってきたので、もしかして自分もそうかもと思う方も多いので大人になって診断に行ってきたという方も増えてきていると思います。ですが知的障害は18歳までの判断になりますし、わざわざIQを調べたいと訪れる方は少ないと思います。また発達障害はIQに問題ないというのが有名で逆に頭のいい方も多いと言われていますが、知的障害と発達障害、そして自閉症などは併発することも多く様々な複合的な問題が絡んでいる場合もあります。

ですのでグレーゾーンだった場合、周りの環境やサポートがあればと言えど簡単にその環境やサポートには恵まれないという状況ではないのかと感じています。

支援はあるのか、どうすればいいか

グレーゾーンだった場合、本人に告げるのは本人の尊厳に関わるのでしょうか。発達障害もそのあたりデリケートな問題で、素人が勝手に決められない医者が判断するものであり、そうやって決めつけるのは中傷にあたるとされるでしょう。ですので、本人が自覚し自ら病院を訪れないと分からないのです。もちろん無理に病院に連れて行くこともよくないと思います。

やはり、子供のうちから注意深く様子を見て早めに診断される事が一番だと思います。子供の個性や発達に合わせた教育や勉学をさせて、できることを増やし自己肯定感を高める事が大人になった時の二次被害(うつや精神疾患)を防げると感じます。また、国には18歳以上の知的障害のある本人やその家族の様々な相談ができる知的障害者厚生相談所や支援、成年後見制度などもあります。ですがグレーゾーンの方も受けれるのかが気になりました。市町村により施設の事業形態などが変わるようですので、問い合わせるともしかしたら対応してもらえるかもしれません。グレーゾーンの方々もこういった支援を最大限受けれればいいなと思います。

最後に

グレーゾーンの子供たちは、高校生〜社会人になったあたりが一番本人が違和感を感じるのではないかなと心配しています。私が出会った子供はまだ保護された当初でしたので告げずでしたが、このまま成長と共に変わってくれば告げるのかもしれません。もしうまく適応能力が育ち、普通に暮らせれた場合は告げない事も本人のためかもしれませんし、やはり難しい問題だなとものすごく感じます。どうすればいいか考えると色々分からなくなってきます。今は自分にできることを精一杯やるしかないなとしか思えない事が私はまだまだ未熟なのかもしれません。

最後までお読みくださりありがとうございました。

睦月

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